第001日目 2001年7月3日  宮城県丸森町(自宅)〜宮城県松島町

「機は熟した」

私の自転車日本一周は、家族が見ているNHKドラマ「ちゅらさん」(※2001年4月29日〜9月29日放送)が終わってから出発しようと前の晩に決めていた。

2001年7月3日、計画通り午前8時30分「ちゅらさん」が終わり、本堂にてお釈迦様・観音様・歴代住職・仏壇に向かい「今から行ってきます」と線香をあげ手を合わせた。

その後、瑞雲寺本堂前で家族に見送られ「やってやるぞ!」と胸の内から込み上げてくるものがあった。

約15キロ程進み、角田市東根の土手から後ろを振り返って見ると生まれ育った山々が見える。
「今ならまだ戻れる」と思いながら、一度決心したことは、後ろを振り返らず前を見て進もうと再び心に決めた。

げんを担ぐために、長さ777メートルの槻木大橋(平成7年7月7日完成)をわたり、国道4号線を北上。
好奇の視線と車の多さに閉口、仙台空港近くの県道10号線を通る。
しかしこの道路も、仙台空港と仙台港を結ぶ道路だけに大型車が多く、閖上の町中を通る時、巻き込まれはしないかと胆を冷やしながら進んだ。

大型車がガンガン通り過ぎる中、ひたすらペダルを漕いでいたら、あれだけ決心したのにも関わらず急にやる気が萎えてきた。
その理由は、自分が抱いていた自転車による日本一周の爽やかなイメージが、わずか数時間で脆くも崩れ去ってしまったからだ。
とにかく目的地へ着いてくれという願望だけで走っていたように思う。

何とか松島に入り今日のキャンプ地である長松園森林公園に17時過ぎに到着。
早速新品のテントの説明書を見ながら張り、食事をした。


夜中の二時頃パラパラとテントをたたく音がしたので外に出てみると雨だ。

出発した時、あんなに天気が良かったのに・・・・・と思っていてもしょうがない。

さらに「バババババッ」とテントを叩くものすごい音とともに地面に打ち込んだフライシートのペグが「ズボッズボッ」とはずれる音が聞こえる。

しばらくしてテントの下がフカフカしだし、入口のファスナーを開けて外を見てみると周りは水たまりになっていた。まるで池に浮かぶ船だ。

この初日からの局地的大雨の試練に精神的に参ってしまった。


2001.7.1-3.jpg
これから日本一周する自転車

2001.7.1-2.jpg
後ろ姿



一日の走行距離:86.77km
積算距離:86.77km
宿泊:長松園森林公園(キャンプ場)


第002日目 2001年7月4日  宮城県松島町〜宮城県鳴瀬町

テント周りが水たまりの状態の中、いつ水が浸み出してくるのかと思うとほとんど寝る事が出来なかった。だが幸いにも新しいテントだったので水が入ってくることはなかった。

寝不足のままテントをたたもうと入口のファスナーを開けたら水が勢いよく入ってきたのでタオルで押さえ急いで閉める。木に立てかけた新品の自転車もずぶ濡れになってしまいチェーンのオイルも流れたに違いない。

こうなってしまうと何もかも面白くない。

何とかテントをたたみ自転車の荷台に積んで次の目的地を目指す。
荷物が雨にぬれたせいか自転車のペダルがやけに重い。

原因はそれだけではない、自分がいいと思って揃えた新品のモノが雨に濡れてしまったショックがペダルを重くしていたのだ。

やり場のない怒りというか悔しさをこらえていたらサドルに乗せていたお尻が痛みだした。
更にやる気も何も出ない・・・

「これじゃ、日本一周どころか宮城県を出るだけでも大変だよなぁ」と本気で思う。

お尻の痛みの為、立ち止まって地図を見ていたら、偶然にも旅館があったので思い切って休む事に決める。

14時という早いチェックインにも関わらず、旅館の主人は私の為にお風呂を沸かしてくれた。
雨に濡れて冷えた体にとってあったかいお風呂は本当にありがたい。
湯船に体を沈めると日焼けの跡が身にしみた。

2001.7.4.jpg
平岡旅館のタオル



距離:14.55km
積算距離:101.41km
宿泊:平岡旅館


第003日目 2001年7月5日  宮城県鳴瀬町〜岩手県平泉町

昨日は旅館で十分休養を取ったのもあって、気分も前向きになり体の調子も良い。
やはり疲れた時は休養が一番だとつくづく思う。

これからリアス式海岸のある三陸を行くか、盛岡へ通じる内陸を行くかで迷いに迷った。
冷静に考えて、今の自分の実力では、アップダウンの多いリアス式海岸の道路は無理だと判断、内陸を通って平泉を目指すことに決めた。

なるべく海岸線に近い道路を通って日本一周したいと思っていた自分にとって苦渋の決断だった。


今朝のラジオでは、日中の気温が30度を超える予想だったので、日焼け対策として吸汗速乾に優れているモンベル製の長袖長ズボンのスタイルで自転車をこぐことにした。
生地の表面を触ってみると汗を吸収しドンドン乾いていくのがわかる。
「よし、これならいけそうだ」と一所懸命ペダルをこいだ。

午後になると強烈な日差しと、予想だにもしなかったアップダウンのある道路で体力が激しく消耗し、いけないと思いながら欲望のおもむくまま自販機前に立っている自分の姿があった。そしてジュースを何本も飲んでしまった。

ふらふらになりながらも3日目にしてやっと岩手県に突入。
ここまで来たら毛越寺ユースホステルまで行くことに決めた。

夕日が沈むころ、地元の中学生にがんばれ〜」と励まされた私はガッツポーズで応えた。
励ましの言葉は人の心を奮い立たせる力がある。
お陰でペダルを踏む足に力が戻り、何とか今日の宿泊地にたどりつくことができた。

励ましの言葉をかけてくれた中学生よ、ありがとう!



距離:95.59km
積算距離:197.01km
宿泊:毛越寺ユースホステル(閉館)


第004日目 2001年7月6日  岩手県平泉町

石巻で休む効用を知って以来、今朝の天気予報をユース内にあるテレビを見たら雨ということで迷わず連泊することに決めた。

午前中は毛越寺境内にある浄土庭園を見学。
拝観料は宿泊者なので無料。

自転車ばかりで、たまには歩かないといけないと思い徒歩で中尊寺へ。
有名寺院だけあって境内は観光客でいっぱいだった。
金色堂にもたくさんの人がいたので拝観するのをあきらめ、次に来たときの楽しみとして残しておくことにする。

毛越寺ユースホステルに戻っても夕食までに時間があったので談話室にあった本や地図を見ながら今後の予定を立てた。


2001.7.6-1.jpg
毛越寺

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中尊寺金色堂



距離:0km
積算距離:197.01km
宿泊:毛越寺ユースホステル(閉館)


第005日目 2001年7月7日  岩手県平泉町〜岩手県北上市

今日の目的地は約60キロと近いので、ちょっと遅めの午前10時に毛越寺ユースホステルを出発した。
天気はとても良く快適な走りができたと思う。

まず、一番目に目指した所は曹洞宗の専門僧堂の一つである奥の正法寺。
このお寺は日本一の茅葺でも有名な所であったが、あいにく改修工事中の為、残念ながら拝観することができなかった。
今度来るときに期待したい。

正法寺から北上市まで一気に坂を下って次の目的地である染黒寺へ。
このお寺は、私が大雄山で修行した時の先輩・中田芳明師が住んでいる所だ。
芳明師は駒沢大学の同級生に当たるわけだが、大雄山では1年先に修行されていたという事もあり、法要その他諸々詳しく教えて頂いた思い出がある。
私の突然の来訪にも関わらず快く迎えて頂き近況を話し合う事ができた。

三番目に目指した所は、同市内にある正覚寺。
場所がわからなかったので芳明師が運転する車の後を追って到着することができた。
このお寺は、永平寺で一緒に修行した池田裕徳師が住んでいる所だ。
今日の宿泊場所は、裕徳師の好意によりお寺に泊めて頂くことができた。


2001.7.7-1.jpg
曹洞宗専門僧堂 正法寺

sodo.1.jpg



距離:60.08km
積算距離:257.09km
宿泊:正覚寺



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