第091日目 2001年11月19日  富山県下新川郡朝日町〜石川県七尾市

早朝のこと、庫裡の大広間にある長机の上で、昨日買ってきたパンを食べていると、コンセントの近くに炊飯ジャーが置いてあった。
ガチャッとふたを開けてみると、真白でおいしそうなご飯が入っている。

昨日、宿泊の予約の電話を入れた時「食事は出せません」と言っていたことを思い出した。
しかし、食事を出せないといいながら、なぜ炊飯ジャーが置いてあるんだ・・・と色々考えた。
結局、食事は出せないといってもやはりお寺、自転車旅で腹を空かせた自分の為にご飯を作ってくれたのだろう。
申し訳ないが全部は食べる事は出来ないので半分ほど頂いた。

自転車で出発する間際、奥さんに炊飯ジャーのご飯について聞いてみた。

「あのー、聞きたいことがあるんですが・・・炊飯ジャーのご飯はサービスですか?」
「いや、あれは、仏様にあげる仏飯ですよ」
「えっ、半分食べてしまいましたけど」
「・・・・」

この時ほど、穴があったら入りたい時は無かった。
お寺の副住職が、他のお寺の仏飯を食べてしまうという大失態をやらかしてしまったのだ。
奥さんに仏飯を食べたことをあやまって天香寺ユースホステルをあとにした。

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(出発前の天香寺山門)


新潟で路面抵抗の少ない「ニンバス」というスリックタイヤ替えたせいか、スピードや距離が以前に比べて伸びたような気がする。

今日は天気も良くとても走りやすい。
宿を決めていなかったので、電話ボックスでタウンページを開いて和倉にある宿に問い合わせをするとOKが出たので宿泊することに決めた。
宿のある和倉温泉に到着したのは17時過ぎ。
今日はよく走った。



距離:139.18km
積算距離:6430.6km
宿泊:ハーバーイン和倉


第092日目 2001年11月20日  石川県七尾市〜石川県珠洲郡内浦町

朝は寒かったが、空を見ると雲ひとつない素晴らしい天気。

宿を出て、和倉と能登島をつないでいる能登島大橋を渡ってみた。
この橋は、大型の船が通れるよう勾配がついている所が面白い。

能登島の道路を約5キロ程走り、「ツインブリッジのと」という名前の橋を渡り北を目指す。
七尾北湾に見とれて走っていたら、いつの間にか曽山峠(標高128m)手前まで来ていた。
どうやら道を間違えたらしい。
峠を下りて内浦を目指しても良かったが、海を見ながら進みたかったので泣く泣く来た道を下った。

今日の宿は食事が豪華な能登漁火ユースホステル。
途中道に迷ったものの、意外と早く15時過ぎに到着してしまった。
海に面したユースの玄関の戸を開けて挨拶をすると、留守番をしていたヘルパー(アルバイト?)は不機嫌そうな顔をしている「やっぱり早い到着というのは、迷惑なんだろうか?自分がヘルパーだったらどう対応するのだろう」と色々考えながら外で自転車の整備をした。

16時になり再び部屋に入った。
早いチェックインの事もあり、ヘルパーとは何となく気まずい雰囲気。
その後、待ちに待った食事の時間。
ユースのオーナーが作る夕食は超がつくほどの豪華さだ。

あまりの食事の豪華さに、先ほどの嫌な事も忘れて「今日はここで泊まることが出来て良かった!」と言ったら、何となく雰囲気が変わった。

食事の力は偉大だ。



距離:98.20km
積算距離:6529.1km
宿泊:能登漁火ユースホステル


第093日目 2001年11月21日  石川県珠洲郡内浦町〜石川郡羽咋郡富来町

朝食は希望していなかったので、昨日買っておいたパンを食べ、禄剛崎を目指して出発。
朝から天気が良く道も平坦で「このままずっと続けばいいな」と思いながら走る。

追い風も手伝って正午前に能登半島最北端である禄剛崎に到着。
天気が良いとはいえ、観光客は自分一人。
季節外れの岬というのは、とても寂しく感じられる所だと改めて思った。

岬には白い灯台があった。
説明を見ると明治16年に造られたらしい。
岬にあるちょっとした公園には「東京302km 上海1593km 釜山783km ウラジオストック772km」と書かれた看板が立っている。
おそらく日本の地図を逆さにした「環日本海諸国図」という地図を元に作られたのだろう。
この逆さ地図の何が面白いかっていうと能登半島や富山を中心にして見ると、諸外国との交流の可能性が見えてくるからだ。

自分の決まりきった考えを変えるためには、逆のことをしたり、少し視点を変えてみたりするのも手なのかなと距離を表示した看板を見て思った。

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(能登半島最北端にて)

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(禄剛崎を中心とした各都市の距離の表示板)

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(環日本海諸国図)


禄剛崎を後にしてしばらくすると雨が降ってきた。
ちょうど近くにバス停があったので雨宿りをしながら弁当を食べる。
ようやく雨が止んだので、今日の目的である曹洞宗の専門僧堂25ヶ寺の内6ヶ寺目の総持寺祖院を目指す。

輪島から海側の道路を行くか、山側の道路を行くかで迷ったが、時間が無いので距離の短い山側を選択。
総持寺祖院には15時頃到着し、拝観料400円支払って参拝した。

祖院は約700年前元亨元年(1321年)瑩山(けいざん)禅師によって開創された。
その後隆盛を極めたが、明治31年4月10日不幸にして七堂伽藍の大部分を焼失。
これを機に布教伝道の中心を神奈川県横浜鶴見(大本山総持寺)に移し、祖院は祖廟として現在に至る。

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(総持寺祖院にて)

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(総持寺祖院の山門)

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(山門の肘木)

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(総持寺祖院法堂)

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(僧堂)

総持寺祖院は今回で2回目の参拝だが、3回目も訪れたいお寺だ。
この後、富来のサイクリングターミナルを目指す。
何とか、海岸特有の厳しいアップダウンを乗り越え148キロのサイクリングが終わった。

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(富来へ行く途中の海の風景)

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距離:148.16km
積算距離:6677.3km
宿泊:富来サイクリングターミナル


第094日目 2001年11月22日  石川郡羽咋郡富来町〜石川県金沢市

テレビでは晴れの予報だったのにもかかわらず、実際の天気は雨。
11月下旬の冷たい雨が、ハンドルを握る手の感覚を鈍くさせる。
雨の予報が外れて晴れるのならいいが、その逆は精神的に疲れるものだ。

目指すは羽咋にある永光寺。今回で2度目の参拝だ。
幸いにも山門前に到着する頃には雨が上がっていた。
早速境内に入ると、寺全体の工事が始まるとのことで、外側からしか見学出来なかった。

法堂・開山堂前で手を合わせ、さらに奥の五老峰を訪れる。
五老峰とは、如浄禅師道元禅師懐奘禅師義介禅師瑩山禅師の曹洞宗の法統を継承した五大老禅師の霊骨遺品を埋納された御霊廟のことである。
曹洞宗には色々な宗派からの転入者がいたわけだが、五大老禅師の霊骨遺品を埋納することによって一本化を図り、これから進むべき道をお示しになったのだと私は思う。(※間違っていたらすみません)

曹洞宗における聖地ともいえるべきお寺を2度も訪れる事が出来た。
修復工事が終わったら再び来たい。

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(永光寺山門)

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(永光寺法堂)

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(永光寺五老峰)

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(五老峰永光寺復興奉賛会ポスターより)

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その後、白衣の町を過ぎ、海に近いサイクリングロードを進む。
海に近いからアップダウンが無く快適かと思ったら大間違い。
造った方には申し訳ないが、この道路はアスファルトではなく、ザラザラしたコンクリートでとても走りづらい。数メートルごとにある継ぎ目を通るたびに「ガタッガタッ」とタイヤから伝わる振動でお尻が痛くなってしまった。
さらに案内板が無いため、迷ってしまうなど、なぜここがサイクリングロードなのか理解に苦しんだ。

その後、サイクリングロードから外れて国道159号線を進み金沢市に入った。
今日の宿は松井ユースホステル。
到着したのは16時過ぎ。
あまり進んでいないのに疲れた。



距離:106.63km
積算距離:6783.39km
宿泊:松井ユースホステル


第095日目 2001年11月23日  石川県金沢市〜福井県福井市

今日は大乗寺と東尋坊を観光したうえで福井市まで行くと100キロを越えてしまう為、いつもより早目の7時に出発する。

金沢市内にある大乗寺まで行きたいが、地図が12万分の1と詳細ではない為、人に道を聞きながら目指した。大乗寺には市内であるにも関わらず45分もかかってしまった。

大乗寺は曹洞宗の専門僧堂25ヶ寺ある内の7ヶ寺目。
このお寺は義介禅師がお開きになられたところで、のちの大本山総持寺を開かれた瑩山禅師が修行された由緒あるお寺でもある。
曹洞宗は道元禅師から懐奘禅師義介禅師、瑩山禅師に確実に受け継がれ、そして教えを全国に広められた。
その瑩山禅師が修行された大乗寺が無ければ、今の瑞雲寺は無いといっても過言ではあるまい。

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(大乗寺総門)

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(大乗寺山門)

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(大乗寺仏殿)

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(大乗寺の七堂伽藍  大乗寺のパンフレットより)

金沢市内を抜け、海が近い「しおさいロード」をサイクリング。
珍しく風が無いためかなり快適に進む事が出来た。

しおさいロードで時間短縮できたお陰で、意外と早く東尋坊へ到着。
ゴツゴツした岩肌と荒々しい日本海をもっと見学したかったが、あまりに人が多すぎるため、観光はそこそこにして福井市を目指す。

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(東尋坊)

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(東尋坊)

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(柱状節理)

時計を見るとまだ時間がある。
大本山永平寺まで行こうかと思い、永平寺門前山口荘ユースホステルに電話をしたら「今日はいっぱいです」と断られた。
時間はあったが永平寺に行くのはやめて、市内にある福井県青年館ユースホステルに泊まることに決定。
余った時間は自転車整備にあてた。

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距離:123.04km
積算距離:6906.9km
宿泊:福井県青年館ユースホステル



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