第101日目 2001年11月29日  兵庫県神戸市〜徳島県徳島市

明石海峡大橋・淡路島・鳴門大橋のルートで四国へ渡りたいと思ったが、あいにく車専用道路の為、自転車で行くことをあきらめた。

垂水からほど近い明石から、たこフェリーに乗り、淡路島に渡る。
とりあえず岩屋から津名まで海を見ながら約20キロのサイクリング。
津名から四国の徳島まで高速バスが出ているので、なんとか運転手と交渉して自転車と荷物一式をトランクルームに入れてもらうことが出来た。ここまで来たら四国に渡ったも同然。
なぜ徳島かというと、四国八十八カ所の一番札所霊山寺がある所だからである。

久しぶりにバスに乗ってみての感想は、やっぱり車は速い。
鳴門大橋にさしかかり、有名な渦潮を見ようかと思ったが高すぎて見えなかった。

徳島市内に到着し、あらかじめ予約していた小松島千歳ユースホステルを目指す。
途中迷ってしまったが、目的のユースに到着することが出来た。
入口で「こんにちは!」と何回言っても誰もいない。

今度は離れらしき建物の入口で「こんにちは!」と挨拶したらお婆さんが出てきた。
「泊まりのお客さんかい?」「はい、そうです」とやりとりをした後、宿泊料金を支払うと「二階の部屋の隣に、まんが部屋があるからね」と言われ、荷物を持って上がってみても、まんがらしいものは何も無い。

「まんが部屋って一体どこにあるんだ?もしかして・・・・・」
気になる違う部屋の襖をそーっと開けてみると、そこには1970年代の週刊少年チャンピオンが大量にあった。

「あぁ、お婆さんにとってのまんがは70年代のチャンピオンなんだなぁ」としみじみと思った。


(岩屋から津名までサイクリング)


(徳島市から小松島市)

距離:44.51km
積算距離:7471.9km
宿泊:小松島千歳ユースホステル(平成15年8月31日閉館)


第102日目 2001年11月30日 徳島県小松島市〜徳島県徳島市

今日から四国八十八カ所巡りの始まりだ。
昨晩、雨が降ったらしく路面が濡れていたが、天気予報では晴れなので一安心。

四国霊場八十八カ所は「発心(徳島)・修行(高知)・菩提(愛媛)・涅槃(香川)」の4つの道場に分けられる。
一番から二十三番の霊場がある徳島県は発心の道場と呼ばれ、巡礼の意思があるのかどうかの覚悟を試される。

まずは一番目の霊場、霊山寺を打つ。
四国では、お寺を参拝することを打つという。
開経偈・般若心経・御本尊真言・光明真言・南無大師遍昭金剛・普回向を唱え「これから、四国八十八カ所を巡ります。どうか無事で巡ることが出来ますようお願いします」と合掌して出発する。

二番極楽寺・三番金泉寺・四番大日寺・五番地蔵寺・六番安楽寺・七番十楽寺・八番熊谷寺・九番法輪寺・十番切幡寺・十一番藤井寺・十六番観音寺・十五番国分寺・十四番常楽寺・十三番大日寺と順不同ながら無事に打つことが出来た。

巡礼中印象的だったのはお寺はもちろんのこと、十番から十一番へ至る道にかけられた沈下橋だ。
この橋は、沈む事を前提に造られているので欄干が無い。なので車が来ると自転車は端に寄らなければならないので川に落ちやしないかと緊張する。

宮城には無い、四国独特の沈下橋を渡ってみて、橋は沈んじゃいけないという先入観を持っていた私は、自分の常識は捨てるべきだと思った。

「今日一日でだいぶお寺を巡ったなぁ。近くの民宿で休むか〜」と思ったが念の為、参拝寺院をチェックしてみると十七番の井戸寺を打っていない事が判明。
すでに夕暮れ時だったが、来た道を戻って井戸寺を打つ。
薄暗い中、ヘッドライトで近くに宿が無いかガイドブックを見ていたら、「こんばんは」とお遍路さんに声をかけられた。
「もしかして宿でお困りですか?いいところがあるので僕と一緒にいきませんか?」と誘われた。
私は、藁をもすがる思いでお遍路さんについて行った。

着いた場所は「栄タクシー」
聞けばタクシー会社の一室がお遍路さん向けに無料で泊まれるよう開放しているとのこと。
タクシー会社の方に挨拶をして、部屋で休ませて頂いた。

この場所を教えてくれたお遍路さんは、Tさんという方で、北海道で靴屋さんをしているとのこと。
旅は何が起きるかわからないから面白い。

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(第一番霊山寺)

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(霊山寺の売店で購入)

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(第二番極楽寺)

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(第三番金泉寺)

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(第四番大日寺)

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(第五番地蔵寺)

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(第六番安楽寺)

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(第七番十楽寺)

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(第八番熊谷寺)

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(第九番法輪寺)

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(第十番切幡寺)

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(第十一番藤井寺)

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(第十六番観音寺)

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(第十五番国分寺)

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(第十四番常楽寺)

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(第十三番大日寺)

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(第十七番井戸寺)

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(生活感あるお遍路さんの自転車)



距離:111.51km
積算距離:7583.4km
宿泊:栄タクシー


第103日目 2001年12月1日 徳島県徳島市〜徳島県勝浦郡勝浦町

朝起きたら、Tさんは既に出発していた。
何気に机の上を見てみると、一冊のノートが置いてあった。
パラパラとノートをめくると、栄タクシーに宿泊したお遍路さんの感謝の言葉が綴られている。
その中に、無料で泊めてもらえる情報が書いてあり、急いで自分のノートとペンを取り出してメモをした。

これから参拝するお寺は十二番焼山寺。
標高は700メートルもある。
お遍路さんが歩く遍路道は舗装されていない為、自転車では行くことが出来ない。
違う道を行くわけだが、重たい自転車をただひたすら押し進むというのは、肉体的に相当にこたえるものだ。
まさに只管打坐ならぬ、只管押輪。

ゴーン
ようやく梵鐘の音が聞こえてきた。
「よーし、あともう少しだ」最後の力を振り絞って焼山寺に到着。
時計を見ると既に正午を過ぎていた。

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(十二番焼山寺)

焼山寺を打った後の下りは楽なものであっという間だった。
次に目指すお寺は二十番鶴林寺。
標高は500メートルと焼山寺よりは低いので、多分楽だろうと多寡をくくった。
しかし、実際に行ってみると坂・坂・坂で、今日一日で北海道の知床峠を2回も越えたような感覚に襲われた。

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(二十番鶴林寺)

お腹が空いたので夕食を食べようと自転車を走らせていると、シルバーカーで散歩していたお婆さんに呼び止められた。
一体何があるんだと近づくと、ミカンと300円をくれた。
私は「歩き遍路じゃないので受け取れません」とお返ししようとしたが、お婆さんは「これを食べて無事に巡礼してもらいたい、だから断らずに受け取って」とのこと。

この行為は接待(せったい)といって四国の地に根ざしている。
いわゆる接待(せったい)とは布施(ふせ)の心である。
今まで布施とは、建前で慈悲をもって人に与えるという意味で理解していたつもりだが、本音では読経に対する対価(※本当にひどい認識)だと思っていた私は、このお婆さんの接待によって布施の意味(見返りを求めない無償の行為)がわかった気がする。

今日の宿は「大師の里」という名前の善根宿で、ありがたいことに無料であり、これも宿を提供するという接待(布施)である。

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(大師の里のチラシ)



距離:105.84km
積算距離:7689.3km
宿泊:大師の里


第104日目 2001年12月2日 徳島県勝浦郡勝浦町〜徳島県海部郡日和佐町

「かんじーざいぼーさつぎょーじんはんにゃー・・・・」
大師の里の主人が私の道中安全を願い、太鼓に合わせて般若心経でご祈祷して頂いた。
その後、入口でお礼の言葉を言い大師の里を後にした。

今日は久しぶりの快晴で、春のように暖かい。
順調に十八番恩山寺・十九番立江寺を打つ。

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(十八番恩山寺)

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(十九番立江寺)

次は難関の二十一番の太龍寺。
標高は600メートルあり、ロープウェイはあるものの2400円と高めだ。
麓にあるお土産店に自転車を預け、遍路道を歩いてお寺を目指す。

自転車を押してのぼった焼山寺と鶴林寺と違い、身一つで歩いて行くのはとても快適だ。
頂上は冬のせいか空気が澄んでおり、荘厳な本堂と相まって清浄な気分にさせてくれる。

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(二十一番太龍寺)

下山後、二十二番平等寺・二十三番薬王寺を打つ。
これで発心修行の道場・徳島県内の霊場参拝は無事に打つことができた。

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(二十二番平等寺)

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(二十三番薬王寺)

今日の宿は、橋本善人宿。
なんと、バスを改造した善人宿で無料なのだ。

宿泊客は自分の他にもう一人のお遍路さん。
話を聞くと四国霊場を逆回り(四国左周り)して参拝するという、逆打ちをしている人だった。
通常に参拝することを順打ち(四国右周り)というが、逆に参拝するというのは、大変な分だけ御利益があるとのこと。

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(橋本善人宿)



距離:64.12km
積算距離:7753.4km
宿泊:橋本善人宿


第105日目 2001年12月3日 徳島県海部郡日和佐町〜高知県室戸市

明け方、尿意を催したのでヘッドランプを頭に付け、日和佐駅構内のトイレに駆け込む。
知らない人が見たら不審人物に見られることは間違いない。
だが、外見にこだわっている場合じゃない、まず尿意を解消することが先決だ。
何とか用を済まし、再び寝袋に入る。

7時半に室戸岬目指して橋本善人宿を後にした。
出発したものの朝食を取っていないのでローソンで昨夜同宿したお遍路さんと弁当を食べた。
これから参拝する最御崎寺の事を聞くと逆打ちのお遍路さんは、室戸から日和佐まで3日かかったという。
まさに修行の道場にふさわしい。
途中店も何も無いから食料を買って言ったほうがいいとのことで、再び店内に入り食料を買い込んだ。
その後、お互いの収め札を交換し無事を祈って別れた。

2001.12.3-4.jpg  2001.12.3-5.jpg
(表)            (裏)

海の近くの道路は、アップダウンも無く快適そのもの。
途中、別格霊場の鯖大師(東洋大師)のお寺を打つ。

2001.12.3-1.jpg
(別格霊場鯖大師 東洋大師)

歩きで3日かかる所を自転車だと1日で行ってしまう。
自転車は文明の利器なんじゃないかと本気で思った。

室戸岬手前にある洞窟、御蔵洞(みくらど)の中に入る。
ここは、弘法大師が虚空蔵求聞持法を修行し証悟された特別な場所である。
私は、この洞窟の中でしばらくの間、目を閉じ心をしずめた。

二十四番最御崎寺はもうすぐなのだが、最後の坂がきつい。
何とか登りきりお寺に到着。
受付を済まし、境内を散策した。

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(台風で有名な室戸岬)

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(二十四番最御崎寺)

販売所では、逆打ちのお遍路さんが薦めていた、黄色い本が販売されている。
値段は3500円だ。
高いと見るか、安いと見るかは個人の自由だが、バス停や食堂、民宿、旅館、距離、野宿する所、善人宿などが事細かに書いてある。
レジのおばさんに「この先買う所は無いよ」と言われ、即決で購入し部屋で今後の計画を練った。

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(四国遍路ひとり歩き同行二人  3500円)

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(かなり詳しく書かれている)



距離:84.96km
積算距離:7838.3km
宿泊:最御崎寺ユースホステル



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