第151日目 2002年3月17日 沖縄県那覇市

台湾へは明日20時の出航を待つ為、同じ宿に連泊。
10時過ぎ、たまった洗濯物を近くのコインランドリーへ持って行って洗濯する。
その間、本屋に行って台湾の旅行ガイドを数冊立ち読みし、観光したい所の想像をふくらませた。

昼食を済まし公園のベンチ休んでいると、大きい荷物を背負った旅人が結構多いのに気づく。時期的におそらく大学生の卒業旅行だろう。他人の旅にはあまり興味が無いので再びベンチで横になった。

考えてみれば自分の旅だって「全国の曹洞宗のお寺25ヶ寺を巡っています!」と話をしたところで「へぇ〜、そうなんですかぁ〜」の一言で終わることが多い。自転車で日本一周しようが、寺社巡礼しようが、一日に150キロ以上進もうが結局は自己満足の世界で、他人が自分の旅に対する興味は「へぇ〜」の一言で完結される屁のようなものだ。つまり、最初は興味を引くが、後は何も残らない屁というよりも刹那的と言ったほうが適切かもしれない。しかし「へぇ〜」の一言で終わるのなら、なぜ旅をしているのですか?と聞かれた時、「ただ自転車が好きなんです」とだけ答えたほうが精神的に楽なのが本音である。自転車が好きなのは事実だし、そのほうがお坊さんであることを言わなくて済むから二重に気が楽なのだ。その理由は、去年の夏、根室でお世話になった漁師のおじさんとおばさんが不慮の事故で亡くなって、お坊さんだと思っていた自分が嫌になってからその傾向が強いように感じる。(※ブログのタイトルに「お坊さん」がついているのが実は嫌だったりする)


暇だったのでベンチでラジオを聴きながら読書をして過ごしていると、名古屋から来たという保険会社の営業の人に声をかけられた。この人は保険をすすめるわけでもなく、今にも雨が降りそうな公園のベンチでなぜ読書をしているのか興味を持ったとのことだ。この営業の人の観察対象になってしまった自分だが、声をかけられたことで「スーッ」と心を開いてしまった。両親にも言っていない台湾に行くことを話をしたら、初海外ツーリングに対する不安が少しはまぎれたような気がする。「スーッ」と心を開かせる営業の人の聞き方は純粋に凄いなと思う。もしかするとこの人こそが自分よりもお坊さんに向いているのかもしれない。



距離:散歩程度
積算距離:11458.4km
宿泊:民宿グリーンハウス


第152日目 2002年3月18日 沖縄県那覇市〜太平洋上

午前中、天気を見るためにNHKにチャンネルを合わすと、丸森で大規模な森林火災が起きているニュースがあった。映像を見る限り現在も鎮火されていないようで、一体どこが燃えているのか実家に電話をしてみると、次郎太郎山の西側の斜面らしい。家の近くの溜池の水をヘリコプターで持って行ったと父親が話していた。まさか沖縄の地で丸森の事が全国でニュースになっているとは思いもしなかった。早く鎮火することを遠い沖縄の地から願う他ない。

今日は台湾へ行く為に10時頃、久茂地にある中琉文化経済協会駐琉弁事で申請していたビザを取りに行った。その後、万が一の為に保険に入っておこうと思い海外専門の保険会社へ行って12800円を支払う。高いと思ったが安心料だと考えて支払う事にする。

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(パスポートとビザ)

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(AIUの海外旅行傷害保険)

フェリー出航の20時までまだまだ時間があったので、昼食を済まし本屋で立ち読みをする。
それでも時間があったので、昨日過ごした公園のベンチで読書をしていると、名古屋の保険会社の人と再会。明日台湾に渡ることを話をしたら「とうとう明日ですね。楽しんできて下さい」と言ってくれた。別れ際、お互い握手をして別れた。

18時過ぎにフェリー乗り場へ行くと、宮古・石垣へ行く旅人がたくさんいるが、台湾へ行く人はその内何人なんだろうか。明日には台湾にいることを考えると、ちょっと緊張してきた。

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(乗船券)

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(自転車に貼られた台湾行の紙)



距離:11.7km
積算距離:11470.2km
宿泊:フェリーの中


なぜ台湾に行こうと思ったのか?

なぜ台湾に行こうと思ったのか?
きっかけは、祖母の妹が戦前、台湾に住んでいた頃の話を聞かされて興味を持ったからである。祖母に詳しく話を聞くと、妹は花蓮という町で神社の神主の方と結婚をされたそうだ。その時の白黒写真を見せられて「台湾ってどんなところだろう」といつかは行きたいと漠然と思っていた。

台湾に対する思いが具体的になるきっかけとなった雑誌がある。
それは小学館発行のアウトドア系月刊誌のビーパル。2001年12月30日から翌年の2月25日までの自転車旅の中断期間に、2001年5月号を読む機会があった。内容は「急がない旅」という特集の中で、「沖縄に行くと見せかけて国外脱出も可能です」という船の記事に注目。どうせ沖縄まで行くのならパスポートを持っていることだし、台湾まで行ってみようかと思うようになったのがきっかけである。

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(台湾に行くきっかけとなったビーパル2001年5月号)

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(この船の絵と航路を見せられたら台湾に行きたくなってしまっていた)

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(ビーパル2001年5月号は、旅自転車を購入するきっかけとなった号でもある)


第153日目 2002年3月19日 太平洋上〜台北県基隆市

今日、台湾に着くのかと思うと期待と不安でいっぱいになってくる。
どちらかというと、初めての海外ツーリングというのもあり、言葉・交通・食事・水・治安等を考えると期待感よりも不安感の方が勝っているように思う。

朝8時、バイキング形式の食事をし、しばらく外の風景を眺めた。
フェリーは飛行機とは違って時間がかかる点で旅をしているなと実感できる所が良い。
フェリーのガラス越しに海の風景をボーッと見ていると、台湾のお婆さんが、基隆に着いたら酒を持つのを手伝ってくれという。詳しく理由を聞くと、とても持ち切れない程、沖縄で酒を買ったそうだ。おそらく、沖縄の酒を仕入れて台湾で売る人なのだろう。このお婆さんは他の日本人の客にも声をかけていた。

18時過ぎ、台湾の基隆港へ着岸。
重い自転車を抱えて入国手続きを済ました。お婆さんは外で待っており、酒を運んでくれたお礼にお金を私に渡し町中へ消えていった。

宿は、フェリー内で知り合ったNさん(男性)と一緒に宿泊することにする。
チェックインした後、基隆の夜の町を散策。町中では男性の「オーオオオ」という掛け声とともに女性歌手が歌っている曲が繰り返し聴こえてくる。台湾で流行している曲だろうか?「オーオオオ」という掛け声が頭から離れなくなってしまった。


鄭秀文  天衣無縫


そろそろお腹が空いてきたので屋台で食事をする。その後、ぶらぶら歩いていると一軒の本屋があった。
早速店内に入って本棚を見渡すと、一冊の地図を発見。手に取ってみると、台湾全土の国道・県道・番地等が詳しく書かれてある。これは買うしかないと店主にお金を渡し店をあとにした。こんな詳しい地図を手に入れたことは幸運だ。

2002.3.19-1.jpg
(台湾の地図)

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(かなり詳しい)



距離:ほとんど進んでいない
積算距離:11470.2km
宿泊:藍美大旅社


第154日目 2002年3月20日 台湾 台北県基隆市〜宜蘭県蘇澳鎮蘇澳

朝9時に台湾銀行が開くというので、両替をしに旅社を出る。
銀行に入り、カウンターで簡単な英語と筆談で日本円にして6万円を台湾の元に両替してもらった。これだけ両替すれば約2週間の旅は大丈夫だろう。その後、蘇澳(スーアオ)目指して出発する。

生まれて初めての海外ツーリングということで、とても気分が高揚している。
このような気持ちは今までにあっただろうか?
自分の記憶を振り返ってみると、小学生の頃の竹馬大会で早駆けナンバー1(短距離)とクロスカントリー(長距離)で金メダルを2つ取った時以来かもしれない。

高揚している心を抑えつつ台湾の交通事情に不安があったので慎重に道路を進む。「案ずるより産むがやすし」ということわざがあるように、2時間も道路を進んでいると台湾の交通事情が何となくわかってきたので、初海外ツーリングに対する不安も少しは和らいだ。進む方向は日本では左側であるのに対し、台湾では右側になっている。決定的に日本と違うのはバイク専用の道路があることだ。台湾ではバイク人口が多いせいか、幅が広く自転車も安心して進む事ができる。

台湾の道路を進んで思ったことは、日本に関係する様々なものが目についたことだ。例えばトヨタ車やヤマハのバイク、コンビニのセブンイレブンにいたっては、数キロごとにあるといった感じでまるで日本国内を旅行しているようだ。

確かに日本のモノが多いが、町を過ぎると風景は熱帯の樹木、稲が既に植えられていたり、暑さ、匂い等あきらかに違う。

蘇澳にある旅館には17時に到着。何とか無事に到着することができてホッとした。



距離:109.18km
積算距離:11579.3km
宿泊:金華大旅社



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