第011日目 2001年7月13日  青森県六ケ所村〜青森県東通村

朝から私はドキドキしていた。
なぜなら本州最涯地尻屋崎に行けるからだ。

朝食を食べ8時に出発。
地図を見る限りでは道は平坦で楽かと思っていたが、アップダウンが多く体力を消耗した。
それでも以外と早く13時頃に尻屋崎に到着する。

道路には寒立馬という馬がしたと思われる糞がたくさんあったので、うまくよけながら進んだ。
「何を食べたらあんなに大きな糞になるのだろうか?」と疑問に思うくらい大きい。

道路の先に寒立馬が数十頭いたので、どのように過ごしているのか自転車から降りて観察してみる。
近くまで行って胴・首・太ももなどを見ると、普通の馬と比べてガッチリしているのがわかった。

大人の馬も子供の馬も、ただひたすら草を食べている。
この尻屋の草を食べることが、厳しい冬を越す為の体を造っていることを思うと、自然の妙理に感心した。

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尻屋崎の灯台の前に記念撮影をし終わって、海の方を見たらうっすらと北海道の山並みが見える。
私は周りに誰もいないのを確認して「二日後に北海道へ行くからな〜」と叫んでみた。

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大声を出してスッキリしたところで、当日予約していた尻屋崎ユースホステルへ向かう。
ガイドブックを見てみると当分の間休館となっていたが、ダメもとで電話をしたら「食事無で泊まるだけなら」という事でOKをもらった。

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このユースの外観は赤い三角形の屋根が特徴。

2001.7.13.jpg
(写真は、尻屋崎ユースホステル・ファンクラブのサイトより)

玄関のサッシをガラガラと開けて「こんにちは!」と挨拶をした。
「どうぞ」という声が遠くから聞こえてきた。

奥から出てきた人は丸い眼鏡のおばさんだ。
宿泊代を支払う時、「電話でも言ったけど最近体調不良でねぇ〜、申し訳ないんだけど夕食と朝食は出せないから・・・・」と声に力が無い。
おつりとともに尻屋崎ユースホステルのスタンプ帳を頂いた。

2001.7.13-2.jpg
(宿泊代を支払った際にもらったユースのスタンプ帳)

18時過ぎ、ちょっと早いが1階の大広間にてカップラーメンとパンを食べた。
ふと、横を見ると年季の入ったアルバムが何冊もあったので、その中の1冊を取り出してみてみると、割烹着を着たおばさんがとても若く写っている。
おそらく丸いヘッドライトの車から想像して70年代から80年代だろう。
写真の若者はみんな青春を満喫しているようでとても楽しそうだ。

「写真に写っている人たちは、今、何をしているんだろう?」と周りを見てみたら「開所10周年記念」と色あせた模造紙が大切に貼られている。

その時、ふと「自分は70年代に生きているんじゃないか?」という錯覚におちいった。
目を閉じて耳を澄ますと賑やかな声が聞こえてきそうだったが、今日の宿泊者は自分一人、そしておばさんが一人。

こんな過ごし方もいいなとその時思った。



距離:79.03km
積算距離:652.67km
宿泊:尻屋崎ユースホステル


第012日目 2001年7月14日  青森県東通村〜青森県大間町

7時10分頃「ドッ、ドッ、ドッ」と階段を上がってくる音で目が覚めた。
足音の主は、丸い眼鏡のおばさんだ。

おばさんは私の顔を見るなり「申し訳ねぇんだけど、7時半に病院に行ぐがら出てってもらいないかねぇ」と言われた。

私はダチョウ倶楽部ばりに「聞いてないよ〜」「訴えてやる」とツッコミを入れたかったが、声に力が無かったのを知っていたので追及するのをあきらめた。

本音はもうちょっと寝ていたかったが「7時半にバスが出るんじゃしようがない。よし、あと20分で出発する準備を終わらさなければ・・・」と急いで準備する。

おばさんは玄関前で「すまないねぇ」と言って鍵をかけバス停に向かって歩いて行った。
尻屋崎ユースの玄関先でおばさんを見送る自分。
はた目から見たら不思議な光景に見えるだろう。


おばさんを見送った後、目的地である大間目指して出発。
朝、突然の出来事に食事をすることができなかったので、むつ市内にあるコンビニでおにぎり二つとヨーグルトを食べて再出発。

木野部峠(100m)を越えてからはアップダウンも少なくなり、海を見ながら快適に進む事ができた。
しばらく快適なサイクリングを楽しんでいると、大間方面から変な乗りものがこっちに向かって来る。

「な・何だあれは?・・」

どんどん近づいてくるが何が何だかわからない。
道路ですれ違ったところでやっと正体がつかめた。
それは・・・登山用の大きなザックを背負った自転車の旅人だったのだ。

自身の頭を過度に越えるような大きなザックを背負っているため、遠目に見て変な乗り物に見えてしまったのだろう。
この旅人は大きなザックの重さに負け、背中が45度以下に曲がりとても辛そうな表情をしている。
私は「腰、大丈夫ですか?」と言いかけたが、旅人は辛そうな表情ながらもピースをしてくれた。
旅のスタイルは一人一様、だからちょっとした道路でのすれ違いでも面白い。

14時過ぎに本州最北端、マグロで有名な大間崎に到着。
地元の方に聞いたら北海道まで18キロあるとのことで意外と近く感じる。
ここは土産店や食堂が立ち並んでおり、同じ下北半島ながら静かな尻屋崎とは対照的だ。

時間があったのでフェリー乗り場に行ってみる。
明日11時30分発函館行のフェリーの予約を取ったあと、旅館で疲れた体を休めた。

とうとう明日から北海道!

2001.7.14-5.jpg
本州最北端の地

2001.7.14-6.jpg
大間崎の灯台



距離:86.52km
積算距離:739.2km
宿泊:サンホテル

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出発からの軌跡


第013日目 2001年7月15日  青森県大間町〜北海道函館市

今日は自転車乗りが一度は行ってみたい憧れの地、北海道へ渡る日だ。
フェリー出航は11時30分なのに、気分が高揚して5時頃に目が覚めてしまう。
何となく小学校の遠足前夜に雰囲気が似ている。

10時にチェックアウトし、時間があったのでフェリー乗り場にあったパンフレットを見て過ごす。

11時30分北海道へ向けてフェリーが出航。
船内で私の隣になった大阪の青年は「大間まで車で来ました。北海道での旅が楽しみです」と話していた。車での旅をぜひ楽しんでもらいたいと思う。

色々しゃべっているうちに1時間40分程で函館の町が見えてきた。

「よーし、やってやるぞ!」

初日の大雨で心が折れかけた自分だったが、何とか北海道へ足を踏み入れた事に感激。
これから始まる北海道の旅に、何か内から湧き上がるものを感じていた。

時計を見ると13時20分。
上空から見た星の形で有名な五稜郭を目指す。
とりあえず自転車で一周してみたが、星の形に走れたのか実感できなかったが満足。


今日の宿は、ライダーハウス「ライム・ライト」。
入口の看板には「来夢来人(ライム・ライト)」とペンキで描かれている。
なかなか素敵な名前のライダーハウスだ。
ここは一泊朝食付きで千円。
旅人に優しい値段というより、オーナーは人との出会いが本当に好きなんだと思う。

建物の外には、バイクがずら〜っと並んで、自転車旅の私にとってかなりの威圧感だ。

「外のバイクに負けちゃいけない」と思い、意を決して「こんにちは〜」と戸を開けて中に入ると、明らかに自分と違う世界に住む人たちがいた。

ライム・ライトのオーナーに軽く説明を受け、自分の寝る場所を確保。
確保と言っても、外のバイクの台数を見てもわかるように雑魚寝に決まっている。

「雑魚寝なら修行寺で鍛えてきた俺じゃないか!」と奮い立たせた私であったが、バイクの旅人と話をして見るとみんないい人だった。

一体自分は何と闘っていたのだろうか?

2001.7.16-1.jpg
函館・国華山高龍寺
右端にあるのが自分の自転車



距離:21.26km
積算距離:760.46km
宿泊:ライム・ライト(ライダーハウス)


第014日目 2001年7月16日  北海道函館市

朝起きたら、雨だったので、オーナーに連泊する事を伝えた。
バイクの旅人達数人と「これからどうする?」と相談した結果、市電に乗って函館観光する事に決定。
私が住んでいる宮城県には市電が無いので、ゆっくりと進むスピードに新鮮さを感じた。

赤レンガ倉庫群など観光客の目を惹く素晴らしい建物が多かったが、とあるバイクの旅人が「見るだけの観光だけじゃつまらない、おいしいものを食べようよ」と提案される。
「じゃあ、おいしいものを食べようじゃないか」という事で、ご当地バーガー「ラッキーピエロ」という店に行ってハンバーガーを食べた。

バイクの人達と函館観光をした後、ライム・ライトへ戻り谷地頭温泉で一風呂を浴びて、バスで函館山へ向かった。
山の頂上は、7月中旬にも関わらず雨の為寒かったが、夜景を見たい人達で混雑している。
肝心の夜景は雨や霧でダメかと思ったが、一瞬だけ霧が晴れ、「オーッ!」という周りの歓声とともに幻想的な函館の夜景を見る事ができた。

距離:0km
積算距離:760.46km
宿泊:ライム・ライト(ライダーハウス)


第015日目 2001年7月17日  北海道函館市

昨日に引き続き今朝も雨。
「北海道には梅雨は無いって聞いていたけど・・・」と恨みごとを言いながら今日も連泊することをオーナーに伝え、その後12時近くまで寝る。

目が覚めると頭がガンガンし、起き上がるのが辛い。

これじゃいけないと思い函館市立図書館へ行き、これからの旅に関しての情報収集を兼ねた読書をする。建物は明治の洋風建築で、とてもオシャレな感じのする図書館だ。

館内の雰囲気が良いせいか何となく頭にスーッと文字が入ってくる。
本を読んでいると、奇妙な鳴き声が響いてくるので、「一体何の鳴き声何ですか?」と職員の方に聞くと「近くで飼育している孔雀の声です」との答え。
孔雀の美麗な姿に反し、あまりに変な鳴き声とのギャップが何となくおかしかった。

ライム・ライトには風呂が無いので、八地頭温泉で一日の疲れを取った。
風呂上りの牛乳がとてもおいしい!

荷物のある部屋へ戻ると、自分より前から泊まっている自転車の旅人がいた。
声をかけたら「自転車の調子がおかしいので、今からサイクルショップへ行ってきます」というので自分もついて行くことにする。

ショップで自分の自転車を見てもらったが、どこも悪い所は無いとのこと。
まずは一安心。

ライダーハウスも三日目。
さすがに明日は、次の目的地へ向けて出発しようと思う。


距離:0km
積算距離:760.46km
宿泊:ライム・ライト(ライダーハウス)



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